取組事例・提案の紹介

藤田保健衛生大学病院における職場環境改善の取組

取組課題

働き方・休み方改善に関する課題
働きやすさ確保のための環境整備(ソフト・ハード)に関する課題
働きがいの向上に関する課題

取組・提案者概要

投稿者
藤田保健衛生大学病院
所在地
愛知県
病床数
500床以上
入院基本料
7:1
職員総数
1000人以上

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取組のきっかけ、取組前の問題点

 昭和58年から12時間夜勤二交代制勤務を導入してきた。しかし、多くの職員が結婚や出産で退職していたため、10年ほど前に結婚・出産・育児に影響しない安心して働ける職場環境をめざす『女性の職場環境改善委員会』が発足された。現在は全職員を対象とした職場環境の改善を検討する『職場環境改善委員会』に引き継がれ、本委員会は病院内全10部署の代表から構成されている。

取組の体制・中心人物

職場環境改善委員会

取組の概要

①多様な勤務体制の導入
  • 育児短時間勤務の導入
     8:30~15:15、9:00~15:45、9:30~16:15という勤務時間を希望に応じて選択できる短時間勤務を導入した。夜勤や日中勤も可能にしているため、現在短時間勤務を利用している46名のうち、4名が可能な日に夜勤を行っている。希望に応じた短時間勤務を導入し子育て支援を充実させた。
  • 職員ニーズに合わせた勤務体制
     子育て中以外の職員についても8:15~、8:30~、9:00~、10:00~、11:00~という出勤時間を設け、職員のニーズに合わせて病棟管理者との調整により出勤時間を選択できる。
  • 夜勤専従者の導入
  • 夜勤回数による手当の導入
     育児をしている職員が夜勤免除を申し出た場合、その分をカバーする職員が月に5回や7回の夜勤を行っている状況があった。そのため、夜勤に関する実態調査を経て、5回以上の夜勤者には回数に応じた手当を設けた。
  • 確実な休暇の確保
     交替勤務の看護職員を対象にした勤務表作成上のルールとして、月1回4日間の連続休暇の確保を設定したため、翌月の4日連続休暇とあわせると8日以上の連休が取得可能となっている。職員によっては子どもの学校行事等で単発の休暇を希望する場合があるが、それらは柔軟に対応している。
②看護業務の負担軽減
  • パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)への変更
     1人完結型から2人1組による補完体制『パートナーシップ・ナーシング・システム』への変更をめざし、先進的に取り組んでいる施設の良い点を取り入れ、自院に合った看護提供体制を開発中である。
  • 看護補助者の業務拡大
  • 他職種との連携強化
     検査部が病棟へ出向き早朝採血を行う 等
③福利厚生の改善
  • 施設内保育園の設置
     病児保育や延長保育の導入に取り組み、平成27年9月から19時までだった保育を21:30へ拡大した。将来的には24時間保育をめざし、検討中である。また、施設内保育利用者には、勤務日以外の子ども預かり(2日/月)も行っている。
  • カフェテリアプランの開始
     全職員に対して45000円相当分のポイントを支給している。このポイントは、『カフェテリアプラン』という福利厚生メニューを利用する際に活用できる。福利厚生メニューは、医療費補助、育児施設・育児サービス補助、旅行・レジャー補助などバラエティ豊かな全26メニューを用意している。
④キャリア支援
  • 目標管理
     能力評価を重視したラダーによる人事考課と給与体系を設置。勤務年数を経れば給与が上がるのではない。実践能力評価と給与が連動しているため、組織が求める能力が系図化されており、自分の目標ステップがイメージしやすいシステムとなっている。
  • 教育体制の充実
     臨床実践能力の開発支援として、臨床能力項目ごとのステップに合わせて、自らが研修を選択して受講することが可能となっている。 役割能力の開発支援として、認定看護師による教育を実施し、より高度な看護の提供が可能な看護師育成をめざしている。
⑤風通しのよい職場づくり
  • 男性看護師支援会
     1300名を超える看護師のうち、120名が男性看護師である。女性の多い職場のため定期的な集いを開催し、男性看護師間のきずなを深めることを目的として始めたが、現在では性差をこえて専門性を高める取組みや社会貢献活動などにも取り組んでいる。
  • 職員用提案箱の設置
     投函された意見は関連部署や職場環境改善委員会にて検討・改善し、スピーディーに対応・返答をする。また、投函された意見は全職員へ開示・周知している。
  • 多種多様な研修や企画
     『産前産後休暇者研修』『復職前研修・復職後研修』は妊娠中の仕事の仕方や出産後の生活、復職前から仕事と育児の両立をイメージできることが目的である。

『サマースクール藤田』は学童期の子どもをもつ看護師への支援として始まり、勤務中に小学生の子どもを学園内で預かることで看護師への支援だけではなく、仕事に対する子どもの理解も深まる。今では全職種対象となり、本年は4日間で延べ85名が参加した。
 その他にも、他部署の看護師が実際に顔を合わせて言葉を交わす場として『トーキングカフェ』、『LIPランチ』に取り組んでいる。

実施後の成果や見えてきた課題

 職場環境改善の取組みによって勤務継続年数が延び、中堅に位置する看護師の増加による「看護の質」の維持・向上につながった。また、既婚率の増加がみられ、女性としてのライフイベントに影響しない働き方ができる環境となっている。年次有給休暇取得率は30%以上を維持できている。年次有給休暇取得率の向上は仕事と生活のバランスを保たせることに影響を及ぼし、生産性の向上につながるため、さらに取得率の向上をめざし取り組んでいきたいと考えている。また、ささいなことでも、できることから取り組んでいく精神で、記録時間の削減や始業前残業時間の削減など、超過勤務の発生しない業務改善を推進していく。
 職員の働きやすさの追求だけではなく、病院経営の収益向上も視野にいれた「ワーク・ライフ・マネジメント」に取り組んでいきたいと考えている。

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