取組事例・提案の紹介

仕事と生活のバランスを保ち、やりがいのある職場

取組・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
射水市
病院名
射水市民病院
法人(病院)の開設主体
地方公共団体等(都道府県、市町村、地方独立行政法人)
所在地
富山県射水市朴木20
主たる医療機能の特徴
急性期機能
一般病床
病床数: 195
 
入院基本料:7対1
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数: 4
 
入院基本料:7対1
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
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一日あたりの平均外来患者数
378.3人(平成29年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
137.5人(平成29年度数値)
一般病棟の平均在院日数
14.4日(平成29年度数値)
病床稼働率
70.5%(平成29年度数値)
職員総数
208人(平成29年度数値)
医師
19人
看護職
141人
医師事務作業補助者
10人
看護補助者
34人
医師の交代制勤務の有無
なし
看護師の交代勤務の状況
3交代制(変則含),当直制,オンコール体制
勤務環境改善についての表彰・認定等について
平成25年8月 看護職のワーク・ライフ・バランス推進カンゴザウルス賞受賞

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取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
2 勤務負担軽減
正職員について多様な勤務形態(短時間勤務、短日勤務、交代制勤務、フレックスタイム制など)を活用している
【取組(2)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
1 労働時間管理
時間外労働時間の削減に取り組んでいる
【取組(3)】
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備
1 仕事と子育て・介護等の両立支援
法定以上の育児休業制度、子の看護休暇制度(男性職員・女性職員ともに対象)を導入している
【取組(4)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
その他
クリニカルラダーの導入により、実践能力に応じた教育を行い、中堅看護師のやりがい向上に繋げている

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

当院は、7対1の看護体制に変更するため、平成24年11月に看護師の定員を135人から140人に増員を試みたが、人数の確保が困難であった。そこで募集を行いながら今いる人材の定着のため、やりがいを持ち、働き続けられる職場環境の整備が必要であると考え、平成25年度の日本看護協会が実施する「WLB推進ワークショップ」と平成26年度富山県事業である「看護職員育成モデル病院事業」に参加し課題に取り組むこととした。

取組対象

  • 取組対象
    看護職
  • 取組の中心部署・人物
    この事業の開始時、副院長・看護部長が院長、事務局長に対し、WLB推進事業に取り組むことについて説明し了承を得た。その後、院内プロジェクトチーム、看護部WLB推進委員会を立ち上げた。プロジェクトチームのメンバーは、副院長・看護部長を含む看護部推進委員10人と院内衛生委員会から3人(うち事務員1人)を含む計13人とした。
  • 取組詳細
     平成25年度インデックス調査の現状分析から、①有給休暇の取得率が低い②自己の能力向上やキャリアデザインを描けるような支援体制が整備されていない③看護ケアに十分に時間がとれず、定時に業務が終わらない④部分休業の取得者が増え、夜勤要員が減少していることを課題とした。これらを踏まえ、「仕事と生活のバランスを保ち、やりがいのある職場」を目標に、年次有給休暇の計画的取得促進、クリニカルラダーの作成と導入、看護業務量調査の実施、育児休業者への支援について取り組んだ。
    【年次有給休暇の計画的取得促進】
     平成25年度インデックス調査では、「有給休暇および1週間程度の連続休暇を必要に応じて取得できないと回答した看護師が50%以上で、有給休暇取得率は平成25年21.9%であった。これを踏まえ、看護師にアンケート調査を実施、バースデイ休暇・連続休暇の希望があり、平成26年度よりバースデイ休暇と3日以上の連続休暇を計画的に取得することとした。
    【クリニカルラダーの作成と導入】
     当院は経験6年目以上の中堅看護師が全体の87%を占めているが、中堅看護師以上を対象とした研修計画がなく、看護専門職としてやりがいや目標に繋がっていなかった。このことから看護実践能力に応じた教育体制を導入し、看護師の成長を支援する教育体制を再構築するクリニカルラダーを作成し、平成28年度より導入した。
    【看護業務量調査の実施】
     看護業務量調査を平成27年2月、10月、平成28年2月、10月の計4回実施した。
     第1回目:緊急入院対応等のため時間外勤務が発生していた。このため新たに遅出勤務の導入を考え看護部、WLB推進委員会、事務部門、職員組合(※1)と検討し試行した。
     第2回目:①持参薬の分包確認②申し送り③記録に時間外勤務を費やしていたため、薬剤科に持参薬の分包確認を委譲し、申し送りの改善として個別から管理申し送りに変更した。また記録の改善については、平成27年12月より固定チームデイパートナー看護方式を導入し、ベッドサイドでのタイムリーな記録を実施することにした。
     第3回目:平成27年12月に電子カルテ導入により記録にかかる時間が増えた。これは、電子カルテ導入3ヵ月目の調査であったため、今後定期的に調査をしていくこととした。
     第4回目:看護補助者が増えたことで、直接看護(入浴介助、清拭、排泄介助等)の時間が減り(日勤:10分)、業務分担により看護師の負担軽減となった。
    (※1)労働組合のことであるが、当院では「職員組合」と呼称している
    【育児休業者への支援】
     育児休業者(部分休業(※2)含む)は平成25年度19人、平成26年度は26人、平成27年度は23人と増加傾向であった。育児休暇者には、休暇中の仕事に対する不安を軽減するため、WLBの取り組み前から、インターネットによる学習や研修資料の後日配布、復帰時に医療安全や感染対策の研修を行っていた。新規の取り組みとして、平成27年12月より育児休暇中職員に対しメールアドレスを登録し、メールにて研修の事前案内と研修資料を添付し研修受講を促した。また「育休ママナース交流会」を定期的に開催し、育児休暇明けの職員からのアドバイスや参加者の意見交換・情報収集を行い職場復帰しやすいようにした。
    (※2)短時間勤務のことであるが、当院では部分休業と呼称している

実施後の成果

Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
2 勤務負担軽減 成果
・電子カルテ導入を契機に個別の申し送りを廃止し、管理申し送りに変更した・看護方式を固定チームデイパートナー方式とした・看護補助者の採用を増やし、ケア業務を一部委譲した
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】 【取組(2)】
成果指標 ・時間外勤務の削減:
 1人あたり1か月、平成27年度9.3時間→平成28年度6.1時間
・遅出勤務の実施:モデル病棟で試行したが、実施に至らず
Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
1 労働時間管理 成果
年次有給休暇の取得率が上がっている
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(3)】 【取組(4)】
成果指標 ・年次有給休暇取得率:
 平成25年度21.9%(4.4日)→平成28年度31.2%(6.2日)
・バースデー、3日以上の連続休暇取得率:平成26年度以降100%
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果
1 仕事と子育て・介護等の両立支援 成果
育児部分休業、子の看護休暇は、全員取得している
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(3)】 【取組(4)】
成果指標 ・子の看護休暇取得者数:平成26年度8人→平成28年度11人
・多様な勤務形態の導入:平成28年度、育児短時間勤務夜勤要員の導入1人
・育児中看護師への支援:育児ママナース交流会の開催、育児休業中看護師との定期的な面談(1~2か月毎)
Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
・主任以上のクリニカルラダー申請が増えた・看護科の必須研修は時間内に行っている
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(4)】
成果指標 ・クリニカルラダー申請:Ⅰ・Ⅱは必須、Ⅲ・Ⅳは選択制とし、毎年計画的に申請・認定を行い、実践能力に応じた看護師を育成している
・自己啓発休暇取得者:平成27年度 1人(以前はゼロ)平成28年度より資格を活かした部署に配属した

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

【クリニカルラダーの作成と導入に関して】
 当院独自の特徴を踏まえたクリニカルラダーを平成27年度に作成し、平成28年4月から導入した。各クリニカルラダーの対象者に段階的に成長できるよう支援するため、各対象者がクリニカルラダーを取得でき、また評価者が適切に評価できるように指導していく予定である。

【看護業務量調査に関して】
①第1回目の取り組みとして実施した遅出勤務の試行については、スタッフから日勤者数の確保の希望があったため、遅出勤務の実施には至らなかった。しかし、遅出勤務の試行期間が1ヵ月と短期間であったため、今後も継続して多様な勤務形態の導入の検討は必要であると考える。
②第2回目の取り組みについては、持参薬の分包確認は薬剤科と連携し実施を継続している。今後も薬剤科と連携し、委譲できる業務について検討していく予定である。申し送りについては、個別から管理申し送りに変更し、申し送り時間が短縮した。
③第3回目の取り組みである記録については、平成27年12月に電子カルテの導入、固定チームデイパートナー看護方式を導入し改善を試みたが、導入期間が3ヵ月と短期間でもあり、浸透が浅く電子カルテ操作にも慣れていないことから、記録時間の短縮には至らなかった。今後記録委員会やPNS推進委員会と共同で定着していく方法を検討していく予定である。 
④第4回目の結果では、看護補助者が増えたことで、看護師が行う直接看護(入浴介助、清拭、排泄介助等)の時間が減り、業務分担により看護師の負担軽減となった。

【育児休業者への支援について】
 「育休ママナース交流会」を定期的に開催し、全員が参加し、意見交換や情報収集などを行った。現在看護部で、1~2か月毎に育児休業中の看護師と面談を行い、職場復帰しやすいように継続的に支援している。また、看護部にて育児休業前後に面談を実施し、仕事や家庭の悩みを聴き対応している。また育児しながら働くママナースが抱えている悩みなどを語り合い共有することを目的に「頑張る育児ママナースの交流会」を定期的に開催した。

今後の課題等について

【クリニカルラダーの作成と導入に関して】
 今後はこのクリニカルラダーを定着させ、看護師自身が看護専門職として自己の成長に繋げることができるようになることが課題である。今年度の結果を踏まえ、今後平成28年5月に日本看護協会から公表された「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」に準じた内容の再編も検討していく予定である。

【育児休業者への支援について】
 今後も育児休業者は増えていくことが考えられるため、育児休業前後に定期的な面談を行い早期の職場復帰、また復帰と同時に夜勤ができるよう支援していく予定である。