取り組んだ内容
【取組(1)】 Ⅰ.働き方・休み方改善 |
2 勤務負担軽減 |
チーム医療や多職種連携(業務分担・連携の強化等)により負担軽減を図っている |
特定行為研修修了者による医師の業務負担軽減を図っている |
取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点
平成26(2014)年、看護師の特定行為研修が制度化された。
当院の高度医療の現場において、高い実践力を有した看護師の育成が必要という意見が出てきた。
当時の病院長が、高齢化の進展により拡大する医療ニーズに対応し、チーム医療を推進し、医療のマンパワー不足の解消に向け、即戦力となる看護師を養成することが必要になるという考えと一致した。
現場と経営層の意見が一致し、病院長の主導のもと、平成28年に国立大学で初めて指定研修機関となり、特定行為研修を開始することとなった。
取り組み対象
- 取り組み対象
医師
- 取り組みの中心部署・人物
看護師特定行為研修センター
- 取り組み詳細
特定行為準備室を立ち上げ、開講する特定行為区分を検討した:特定行為準備室を立ち上げ、地域のニーズを調査し、ニーズが高かった呼吸関連3区分に絞って研修を開始した。現在、研修を行う看護師特定行為研修センターと院内活用を推進する特定看護師活動支援室(看護部)を設置した。
特定行為研修と修了者活用は、協力可能な診療科から、柔軟に進めた:病院長主導のもと、特定看護師活用の意向があった麻酔科の協力が得られ、進んだ。推進には、実際に活用と働き方モデルを見せることが現場の理解促進に効果的であった。周囲の理解を得るには概ね2~3年を要した。
特定看護師ができる業務を周知し、組織で取り組む医師とのタスクシェアに取り組み始めている:特定行為業務管理委員会を立ち上げ、研修修了者が対応可能な業務を把握し、承認システムにより活動支援をしている。これにより、病院職員への周知と業務拡大に繋がっている。そうすることによって、①医師から看護師にタスクシフト可能な業務を容易にマッチングできるようになったこと②医師と看護師間のコミュニケーションギャップが狭まったというメリットが生まれた。
実施後の成果
Ⅰ.働き方・休み方改善_成果 | ||
2 勤務負担軽減 成果 | ||
医師から看護師へのタスクシェア | ||
成果の出た対象 | ☑医師,☐コメディカル,☐看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(1)】 | |
成果指標 | 当院で医師しかできなかった医療行為の一部や悪化予防措置を特定看護師がシェアし始めている。 医師の手薄な時間帯(医師が手術、急変など同時多発に発生したイベント対応中)の特定行為での診療の補助をモデル病棟で開始している。「安全性」と「医療の質」が担保されるようになったと感じられる。 |
Ⅴ.その他_成果 | ||
特定行為研修修了者に関する人数 | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(1)】 | |
成果指標 | 看護師のタスクシェアへの意識改革と自己の成長にも繋がり、附属病院独自の早期履修制度に利用者160名となった 附属病院内の研修修了者 15名 |
これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応
特定看護師の活用については、病院職員が、働き手(特定看護師)がどのような業務を実施できるかを理解できるかがポイントである。
学習した内容が現場で役立てられ,パフォーマンスをあげることが目的である。よって、所属部署の看護上で必要な特定行為を取得することが望ましい。
研修修了者の活用事例が少なく、全国的に周知に時間を要している。
今後の課題等について
特定行為研修修了者を計画的に増やすシステム構築、有効活用する適正配置を実行すること。
取り組み・提案者概要
- 取組者
- 病院単体での取組
- 法人名
- 国立大学法人滋賀医科大学
- 病院名
- 滋賀医科大学医学部附属病院
- 法人(病院)の開設主体
- 国等(厚労省、国立病院機構、国立大学法人、労働者健康安全機構、国立高度専門医療研究センター、地域医療機能推進機構、その他国の機関)
- 所在地
- 滋賀県大津市瀬田月輪町
- 主たる医療機能の特徴
- 急性期機能
- 一般病床
- 病床数: 490
- 入院基本料:7対1
- 療養病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 結核病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 精神病床
- 病床数: 34
- 入院基本料:その他 7対1入院基本料
- その他病床
- 病床名:一般病床
- 病床数:79
- 入院基本料:特定集中治療室管理料1、小児入院医療管理料2、母体・胎児集中治療室管理料、新生児集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料
- 一日あたりの平均外来患者数
- 1220人(令和2年度数値)
- 一日あたりの平均在院患者数
- 484.3人(令和2年度数値)
- 一般病棟の平均在院日数
- 14日(令和2年度数値)
- 病床稼働率
- 79.2%(令和2年度数値)
- 職員総数
- 1389人(令和3年度数値)
- 医師
- 610人
- 看護職
- 736人
- 医師事務作業補助者
- 16人
- 看護補助者
- 27人
- 医師の交代制勤務の有無
- なし
- 看護師の交代勤務の状況
- 3交代制と2交代のミックス(同一病棟内)
- 勤務環境改善についての表彰・認定等について
-
・内閣府の平成29年度「女性のチャレンジ賞特別部門賞」を受賞(「女性医師がキャリアと子育て・介護等ライフイベントとを両立させられる環境整備等」の取組による)