取り組んだ内容
【取組(1)】 Ⅳ.働きがいの向上 |
1 キャリア形成支援 |
正規・非正規を問わずすべての職員のキャリア形成支援(研修等に関する情報提供や研修等への職員参加の支援、子育て等と両立しながらの勤務の継続に関する相談窓口の設置や情報提供等)が実施されている |
取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点
・2002年頃からクリニカルラダーを導入していたが、十分に活用できていないような状況であった。
・適切に能力評価を行わず一定のスキルがあれば、勤務経験を積むことで役割を与えられるような状況であった。
・勤務経験のみでラダーが上がるため、能力が高くても勤務経験が短いがゆえに役割を与えられない人が存在し、スタッフのキャリア支援につながらず、やりがいを持てないスタッフもいた。
・全国的に離職率が低い当院であったが、平成27年に多くの新卒看護師が退職した。それを契機に教育体制を見直し、看護師の定着に向けた取り組みを開始することにした。
取り組み対象
- 取り組み対象
看護職
- 取り組みの中心部署・人物
看護部
- 取り組み詳細
・キャリア形成に関する調査を実施し課題を洗い出した:看護師が考える職業的キャリアとキャリア成熟度に関するアンケート調査を実施しキャリア形成の課題を洗い出した。看護師として進みたいキャリアがあるものの、管理者が組織の教育体制を理解し、個人と組織の橋渡しができていないことがわかった。
・キャリア開発支援WGを立ち上げ教育体制の方針を定めた:看護師のキャリア形成を図るため、キャリア開発支援WGを立ち上げた。WGにてキャリアラダーの骨組みを整備し、師長・副師長向けの学習会を開催することで職員に周知も含め巻き込んだ。また、看護職員に対し「各人がキャリアを意識し、意欲的に自己啓発できる看護師を育成する」という意思も表明した。
・人間性についてもラダーで定義した:WG以外の職員の意見を聞く機会を設け、病院や看護部の理念といった人間性についてもキャリアとして考えられるようなラダーを整備した。
・教育担当専従者を配置しシミュレーション研修体制を構築した:看護師の教育に興味がある看護師を教育担当専従者として配置した。教育専従者と教育担当者がタッグを組み、座学だけでなく教材を活用し実際の臨床に近いシミュレーション研修体制を構築した。
・新人看護師対象の院外宿泊研修を開始した:チーム作業を通してリフレクションを行い、「自分らしいコミュニケーションを学ぶ」「お互いに認め合う」ことを目的とした研修を実施している。また、大自然の中で仲間と過ごすことは、同期としての一体感が生まれ離職の防止となっている。
実施後の成果
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果 | ||
4 人材の定着化 成果 | ||
退職者数(定年退職者を除く)が減っている | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(1)】 | |
成果指標 | ・看護師の離職率8.2%(平成27年度)から8.5%(令和3年度)で経過しており、全国平均10.6%(令和2年度)より少ない値で推移している。 ・新人看護師の離職率が15.6%(平成27年度)から8.6%(令和3年度)に減少した。 |
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果 | ||
4 人材の定着化 成果 | ||
専門・認定看護師数が増加している | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | ||
成果指標 | 専門・認定看護師数が24人(平成29年)から42人(令和3年)に増加した。 |
Ⅳ.働きがいの向上_成果 | ||
1 キャリア形成支援 成果 | ||
職員満足度(教育)が増加 | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | ||
成果指標 | 教育に関する職員満足度(教育)が3.7(平成29年)から3.86(令和3年)に増加している。 |
これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応
・新しく考案されたキャリアラダーになってから自分の目指すべき看護師像が明確になり、やりがいを感じながら働くことができている。”
・看護師の役割に応じた手当が出るのが魅力的である。
・コロナが収束しても少人数で複数回開催しているシミュレーション研修は効果的であるため継続していきたい。
今後の課題等について
・専門・認定看護師、特定行為看護師の実践に応じた処遇改善への取り組み
・専門・認定看護師、特定行為看護師が自らの役割を発揮すると共に、ON-JTのさらなる充実に向けて活用をすすめる
取り組み・提案者概要
- 取組者
- 病院単体での取組
- 法人名
- 地方独立行政法人 山梨県立病院機構
- 病院名
- 山梨県立中央病院
- 法人(病院)の開設主体
- 地方公共団体等(都道府県、市町村、地方独立行政法人)
- 所在地
- 山梨県甲府市富士見1丁目1-1
- 主たる医療機能の特徴
- 高度急性期機能
- 一般病床
- 病床数: 622
- 入院基本料:
- 療養病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 結核病床
- 病床数: 16
- 入院基本料:
- 精神病床
- 病床数: 4
- 入院基本料:
- その他病床
- 病床名:第一種感染症病床
- 病床数:2
- 入院基本料:急性期一般入院基本料1
- 一日あたりの平均外来患者数
- 1189.4人(令和3年度数値)
- 一日あたりの平均在院患者数
- 364.9人(令和3年度数値)
- 一般病棟の平均在院日数
- 10.4日(令和3年度数値)
- 病床稼働率
- 68.9%(令和3年度数値)
- 職員総数
- 1396人(令和4年度数値)
- 医師
- 219人
- 看護職
- 715人
- 医師事務作業補助者
- 44人
- 看護補助者
- 68人
- 医師の交代制勤務の有無
- なし
- 看護師の交代勤務の状況
- 2交代制(変則含),オンコール体制
- 勤務環境改善についての表彰・認定等について
- なし