取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
1 キャリア形成支援
補助職(医師事務作業補助者、看護補助者等)を配置している
【取組(2)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
その他
医師事務作業補助者のキャリアパスの構築

取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点

当院では約30名の非常勤医師事務作業補助者が働いており、診療科ごとに業務内容や経験年数が異なっています。しかしながら、各自のスキルや能力が適切に評価されず組織的な教育体制も整っていないため、成果が出にくい状況にあり、将来の病院の中核となるようなスタッフの離職リスクを高める課題となっておりました。また、医師の働き方改革を進める中で、当院では医師事務作業補助者の役割の重要性を強く感じており、医師の働き方改革を推進する上でも医師事務作業補助者が働きやすい環境を整えることが急務であると認識しました。そこで、適切なキャリアパスの構築や教育体制の整備を図るため、本取り組みを開始しました。

取り組み対象

  • 取り組み対象
    コメディカル
  • 取り組みの中心部署・人物
    医事課及び医師事務作業補助者リーダー
  • 取り組み詳細
    1. 組織全体での取り組み 課題解決のため、病院長、キャリア教育に注力する看護部長、病院管理局、外部コンサルタントを交えて企画を実施しました。
    2. 医師事務作業補助者の標準業務の整理 診療科ごと、または複数診療科で構成されるチームごとに実施する業務を整理し、標準業務一覧表を作成しました。特に高いスキルが求められる業務を可視化しました。
    3. キャリアパス構築ワークショップの開催 医師事務作業補助者を対象に、キャリアパスを考えるワークショップを3回開催しました。ここでは、キャリアパス設計の目的を共有し、理想の医師事務作業補助者像や求められる要素・行動についてディスカッションを行いました。ワークショップを全3回実施したが、皆にキャリアパスというものを意識してほしかったため、必ず全員がどこかの会には出席できるように工夫をしました。
    4. 医師事務作業補助者のキャリアパスの設計 ワークショップのディスカッション結果を基に、当院の医師事務作業補助者に求める要素を明確にしたうえで、医師事務作業補助者リーダーおよび医事課にてキャリアパスを5段階(サブリーダー・リーダーを含む)で設計しました。また、当院の医師事務作業補助者に求める要素ごとにキャリアパスの各段階に求められる行動指針を定義しました。
    5. 目標管理及び面談の導入 作成したキャリアパスに基づき、個人が目標設定や振り返りを行うための目標設定シートを作成しました。期初・期中・期末に自己振り返りを実施する期間、リーダーおよび医事課との面談も設定しました。
    6. 教育・スキルアップ体制の構築 キャリアパスに従ってスキルアップできるよう、ワークショップの結果から医師事務作業補助者が学びたいテーマを抽出しました。今後、医事課やリーダーを中心に、定例会での事例共有や勉強会を実施する予定です。

実施後の成果

Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
1 キャリア形成支援 成果
補助職(医師事務作業補助者等)の配置数が増えている
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☐看護職,☐事務職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(1)】 【取組(2)】
成果指標 1. 委員会の発足
マネジメント層への働きかけにより、病院長の承認を得て、医師事務作業補助者とその他職種が参加する委員会を発足しました。この委員会は、医師事務作業補助者がより効果的に働くための場として、医師や看護師、事務職などとの定期的な意見交換や業務改善の議論を行う予定です。
2. 他医療機関との交流促進
キャリアパス構築の一環として、他病院見学や意見交換を実施しました。また、他院の勉強会にも参加することで、医師事務作業補助者の活躍における知識やスキルを学び、相互に交流する関係性が構築できました。
Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
医師事務作業補助者のキャリアパスの構築
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☐看護職,☐事務職
成果に影響を与えた取り組み
成果指標 1. 役職手当の導入
公立病院である当院において、病院長の理解を得て、キャリアパスに応じた役職手当を導入する方針で検討を進めることが決定しました。
2. キャリアパスの構築およびキャリア向上への意識の醸成
可視化されていなかった医師事務作業補助者のキャリアパスを策定し、目標管理体制を構築しました。ワークショップで医師事務作業補助者自身が議論した内容を基に策定したため、当事者にも納得性のある内容となりました。結果として、今後の成長のために学びたいことや課題がワークショップにて意見として出るようにもなり、成長への意識が醸成されはじめました。

これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応

今後の課題等について

取り組み・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
病院名
小田原市立病院
法人(病院)の開設主体
公的医療機関(日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連、国民健康保険団体連合会)
所在地
神奈川県小田原市久野46
主たる医療機能の特徴
急性期機能
一般病床
病床数: 340
 
入院基本料:
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:感染症病棟
 
病床数:
 
入院基本料:
一日あたりの平均外来患者数
817人(年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
382人(年度数値)
一般病棟の平均在院日数
12日(年度数値)
病床稼働率
91.7%(年度数値)
職員総数
643人(年度数値)
医師
107人
看護職
390人
医師事務作業補助者
30人
看護補助者
0人
医師の交代制勤務の有無
なし
看護師の交代勤務の状況
3交代制(変則含)
勤務環境改善についての表彰・認定等について