取組事例・提案の紹介

「働きやすさ」と「働きがい」の充実を目指した取り組み

取組・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
日本赤十字社
病院名
石巻赤十字病院
法人(病院)の開設主体
公的医療機関(日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連、国民健康保険団体連合会)
所在地
宮城県石巻市蛇田字西道下71番地
主たる医療機能の特徴
高度急性期機能
一般病床
病床数: 464
 
入院基本料:7対1
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
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一日あたりの平均外来患者数
1086人(平成28年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
434人(平成28年度数値)
一般病棟の平均在院日数
11.3日(平成28年度数値)
病床稼働率
93.7%(平成28年度数値)
職員総数
1144人(平成28年度数値)
医師
145人
看護職
559人
医師事務作業補助者
38人
看護補助者
58人
医師の交代制勤務の有無
あり
看護師の交代勤務の状況
3交代制(変則含),2交代制(変則含),オンコール体制
勤務環境改善についての表彰・認定等について
なし

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取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
1 労働時間管理
年次有給休暇をはじめとする休暇の取得を促進している
【取組(2)】
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備
1 仕事と子育て・介護等の両立支援
保育サービス(病児保育や夜間預かり保育等)を実施している
【取組(3)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
その他
・仕事にやりがいを感じることができるよう、仕事の意味や価値について考える機会をつくる・職場内でお互いの仕事を承認する機会をつくる

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 東日本大震災の被災地域にある当院は、それ以降急性期病床の拡充に迫られ100人の看護職の増員が必要となった。もとより地方都市であるため地域外からの採用は少なく、看護師確保は重大な課題となった。採用活動に力を入れる一方で、今働いている看護職の定着を図ることが人材確保には重要だと考えた。そこでH25年より看護協会が実施するWLB推進ワークショップに参加した。

取組対象

  • 取組対象
    看護職
  • 取組の中心部署・人物
     看護部が中心となりWLB推進委員会を立ち上げた。看護副部長を委員長とし、委員5名で組織した。委員会が中心となったが、活動は副院長1名、事務職員3~4名と協働して行った。
  • 取組詳細
     H25年のWLBインデックス調査結果では、労働環境において「有給休暇が必要に応じて取得できる」「一週間程度の連続した休暇を必要に応じて取得できる」などが低かった。年間休暇数125日、有給休暇取得率約50%と、比較的休暇はとれる環境にあると思われたが、必要な時に調整しずらい状況があることがうかがえた。看護職の平均年齢33.7歳、96%が女性であるため育児世代のサポートを充実し、育児のための離職を防ぐ必要があると考えた。職員の研修支援等の項目は高く評価される一方、「自分の能力を生かせる仕事である」「自分の描く将来像につながる仕事である」の項目が低く評価された。承認が不足しており、やりがいを感じることができていないと考えた。
    【有給休暇の取得促進】
     有給休暇取得数を増やすだけでなく、一週間以上の休暇も含め必要な時に取得しやすい環境をつくる。看護管理者間で取得状況の可視化、データを共有し、現状分析、改善策を立てるためのワークショップを行った。勤怠管理システムを導入し、有給休暇の取得状況が管理者・スタッフ間でいつでもタイムリーに確認できるようになった。休暇の取り方についてアンケートを行い、スタッフが中心になって改善策を考えるワークショップを行った。
    【育児支援対策】
     人事課と協働し、院内保育所の運用見直しを行った。児の数を45人→80人に増やし、夜間保育と病児保育も開始した。育児短時間制度の利用を促進した。
    【仕事のやりがいを実感できる仕組み作り】
     しゃべり場と題したイベントを毎年数回企画し、テーマを決めて多職種が参加してワールドカフェを行った。イントラネットにナラティブページというコーナーを開設し、看護職一人一人の自分史をナラティブで紹介することで、その記事をきっかけに承認のコミュニケーションが増えることを期待した。

実施後の成果

Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
1 労働時間管理 成果
年次有給休暇の取得率が上がっている
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】
成果指標 【有給休暇取得率】
・有給休暇21日/年、取得率 H26:43.5%→H28:58%
【WLBインデックス調査結果】 H26→H28の比較
・「有給休暇は必要に応じて取得できる」 38.6%→55.9%
・「1週間程度の連続した休暇を必要に応じて取得できる」 29.2%→48.2%
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果
1 仕事と子育て・介護等の両立支援 成果
育児短時間勤務等の制度利用が推進する育児による離職が減る
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(2)】 【取組(3)】
成果指標 【育児短時間勤務利用者数】
・H26:34人→H28:61人
【離職率】
・H26:10.5%→H28:5.3%
 育児のための離職はなかった
Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
仕事のやりがい感が高まる
成果の出た対象 ☐医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(3)】
成果指標 【WLBインデックス調査結果】 H26→H28の比較
・「現在の仕事は自分の能力を生かせる仕事である」 50%→62.4%
・「現在の仕事は自分の将来につながる仕事である」 39%→49.4%
・「現在の働き方に満足している」 28%→43.3%

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

協力しあう雰囲気が高まった印象がある。
「お互いの仕事への理解、チームワークが良くなった。」「必要な時に休暇が取りやすくなった。」などの声が高まった。

今後の課題等について

【有給休暇の取得促進】
 H30年度に新しい人事管理システムが導入予定であるため、休暇や時間外申請等のモニタリングやデータ管理がしやすくなる。今後も継続的に分析し、改善策を講じていくことが必要である。
【育児支援対策】
 育児短時間制度利用者は増えたが、夜勤も含めた通常勤務まで戻るにはまだ支援が不十分である。制度を利用した後に通常勤務にスムーズに戻るために、夜勤回数の緩和措置や時間外勤務の削減等も併せて取り組む必要がある。また、育児短時間制度利用者のキャリア支援も重要だと考えている。キャリアの中断ややりたいことができないジレンマなどを感じる看護職も多くいるので、制度利用中のキャリアアップについて仕組み作りを行う予定である。育児中の看護職同士のピアサポートの会も同時に進めている。
【仕事のやりがいを実感できる仕組み作り】
 しゃべり場の企画は、病院全体で継続的に行うことが決定したため、次年度以降も人事課とWLB推進委員会共同で開催していく。すべての看護職にやりがい感を持ってもらうため、今後は一部行っている院内認定制度をさらに増やし、個々のスキルアップと活躍の場をつくる予定である。