取組事例・提案の紹介

労働安全衛生法を遵守した「職員健康診断」及び「各種予防接種」の充実及び疾病予防を図る。

取組・提案者概要

取組者
法人全体の取組
法人名
医療法人社団 宏和会
病院名
岡村記念病院
法人(病院)の開設主体
医療法人
所在地
静岡県駿東郡清水町柿田293番地の1
主たる医療機能の特徴
急性期機能
一般病床
病床数: 65
 
入院基本料:7対1
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
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一日あたりの平均外来患者数
122人(平成28年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
40人(平成28年度数値)
一般病棟の平均在院日数
4.4日(平成28年度数値)
病床稼働率
74%(平成28年度数値)
職員総数
108人(平成29年度数値)
医師
19人
看護職
74人
医師事務作業補助者
3人
看護補助者
12人
医師の交代制勤務の有無
なし
看護師の交代勤務の状況
3交代制(変則含)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
特記事項なし

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取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅱ.職員の健康支援
1 健康管理
職員の健康教育や身体的健康対策(生活習慣病対策等)に取り組んでいる
【取組(2)】
Ⅱ.職員の健康支援
2 労働安全
職業感染(結核・インフルエンザ等呼吸器感染、HBV/HCV/HIVの針刺し切創対策、ワクチン等)に取り組んでいる
【取組(3)】
Ⅱ.職員の健康支援
2 労働安全
「心の健康づくり計画」を策定し、組織的・計画的にメンタルヘルス対策の取組を行っている
【取組(4)】
Ⅱ.職員の健康支援
2 労働安全
職業感染(結核・インフルエンザ等呼吸器感染、HBV/HCV/HIVの針刺し切創対策、ワクチン等)に取り組んでいる
【取組(5)】
Ⅱ.職員の健康支援
2 労働安全
「心の健康づくり計画」を策定し、組織的・計画的にメンタルヘルス対策の取組を行っている

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 当院開設以降、職員健康診断は、常勤する医師で産業医資格を有する医師を労働安全衛生法上の産業医として登録し、院内で健康診断各種検査項目を実施していた。昨今の雇用職員数の増加とともに、年間2回の職員職員健康診断の実施及び解析並びに診断に対して、産業医への負担が増加し、又、昨今の医療情勢から鑑みても、産業医一人で全職員の健康診断結果を解析及び診断することは、責任の重大性もあり、診断誤りを誘発する恐れがあることから、外注による職員健康診断へ変更する決断をした。労働安全衛生法上、職員の健康管理にあっては、事業所に責任が問われる。正確な解析、診断により職員の健康被害が未然に防止される、又、重大な疾病に繋がる前に事前に抑止できる、そのような観点から、現行の産業医の業務負担軽減は基より、病院経営上、職員健康診断に対する費用負担は増加するが、職員の健康を第一に配慮した結果、外注による職員健康診断の実施及び充実に着することとなった。

取組対象

  • 取組対象
    医師,コメディカル,看護職
  • 取組の中心部署・人物
     院長、副院長等病院管理者間で協議の上、職員健康診断を院内の産業医による健康診断から外部の産業医による健康診断へ変更した。
     予防接種にあっては、現行と同様に正規・非正規雇用問わず、病院雇用の職員の費用負担を全額病院負担としている。
  • 取組詳細
    【 健康診断の実施について 】
     内容:当院開設以降、職員健康診断は、常勤する医師で産業医資格を有する医師を労働安全衛生法上の産業医として登録し、院内で健康診断各種検査項目を実施していた。昨今の雇用職員数の増加とともに、年間2回の職員職員健康診断の実施及び解析並びに診断に対して、産業医への負担が増加し、又、昨今の医療情勢から鑑みても、産業医一人で全職員の健康診断結果を解析及び診断することは、責任の重大性もあり、診断誤りを誘発する恐れがあることから、外注による職員健康診断へ変更する決断をした。労働安全衛生法上、職員の健康管理にあっては、事業所に責任が問われる。正確な解析、診断により職員の健康被害が未然に防止される、又、重大な疾病に繋がる前に事前に抑止できる、そのような観点から、現行の産業医の業務負担軽減は基より、病院経営上、職員健康診断に対する費用負担は増加するが、職員の健康を第一に配慮した結果、外注による職員健康診断の実施及び充実に着することとなった。
     〇改善点:院内実施の職員健康診断から平成30年1月より外注による職員健康診断へ変更した。
     ※職員健康診断以外では、特に変更なし(現状維持に留まっている。以下をご参照下さい。)
    【 感染予防対策(B型肝炎ワクチン予防接種・インフルエンザワクチン予防接種)】
     各種予防接種にあっては全額病院負担により実施
    インフルエンザワクチン予防接種にあっては、本人負担分を病院で全額負担し、罹患率を下げる目的で同居する家族を対象に希望者のインフルエンザワクチン接種を実施している。
     費用負担にあっては、家族接種の場合のみ職員に一部費用負担あり。
    【 平成27年12月1日施行 ストレスチェック制度に対する取り組み 】
     第三者機関に業務委託することで実施している。
    職場でのストレスに対して職員がより回答し易い環境整備を目的に第3者機関へ委託することで高ストレス者を早期に抽出し、職員のメンタルヘルス不調の未然防止に繋がっている。
     ストレスチェック調査票は、「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」より、
     1.職場におけるストレス原因に対する項目 2.ストレスによる心身の自覚症状に関する項目 3.職場における他の労働者による支援に関する項目
    実施し、第三者機関にて集計・分析、ストレスチェック結果に基づく医師による面接指導の実施者の抽出を行い、当院の産業医にて面接指導を実施、面接後、専門医の診療が費用な場合は、他医療機関を紹介し、受診を指示している。
    〇ストレスチェック制度とは別に院内にストレスケア窓口を設け、職員の心理的な負担の軽減に繋がるよう職場環境整備を実施している。

実施後の成果

Ⅱ.職員の健康支援_成果
1 健康管理 成果
職員の健康診断受診率が改善している
成果の出た対象 ☑医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(4)】
成果指標 【健康診断受診率の改善】
院内にて職員健康診断を実施していた際は、院内実施のため、全職員が受診期間内に実施することが出来なかったが、外注により、受診期間以外の受診は健診センターへ足を運ぶ必要性が発生するため、全職員全てが受診期間内で受診し、短期間での100%の受診率を確保することが可能となった。
Ⅱ.職員の健康支援_成果
1 健康管理 成果
職員一人ひとりの健康診断結果に対する回答が早期に実施できるようになった。
成果の出た対象 ☑医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】
成果指標 【健康診断結果の早期回答】
外注にすることで、健康診断の解析及び診断に時間を要する必要がなくなり、早期に職員に回答することができるようになった。時間経過ともに病状が変化することなく、短期間で職員へ回答が可能となり、疾病予防観点からも未然の疾病抑止に繋がっている。
Ⅱ.職員の健康支援_成果
2 労働安全 成果
第三者機関に業務委託することで個人情報保護の強化に繋がっている。
成果の出た対象 ☑医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】 【取組(3)】 【取組(5)】
成果指標 【個人情報保護】
院内にて健康診断を実施していた際は、職員一人ひとりの検査結果が電子カルテ上で他職員が閲覧出来ないよう閲覧制限を設けていたが、検査にあたるコメディカル間では結果の閲覧が可能であった。外注にすることでそのような個人情報保護の充実が図られる結果となった。
Ⅱ.職員の健康支援_成果
2 労働安全 成果
過労・メンタル等により出勤していない者が増えていない
成果の出た対象 ☑医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(3)】 【取組(5)】
成果指標 ストレスケア窓口を院内に設け、職場環境整備に努めると共に、ストレスチェック制度に伴う「職業性ストレス簡易調査」を第三者機関に業務委託することで、職員の調査票に対する回答をし易くする共に個人情報保護の強化、高ストレス者の早期抽出、職員のメンタルヘルス不調の未然防止に繋がっている。現在、過労・メンタル等により出勤していない者は居ない。

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

 従来の職員健康診断にあっては、常勤する医師で産業医資格を有する医師を労働安全衛生法上の産業医として登録し、院内で健康診断検査項目を実施、また、全職員の健康診断結果を解析及び診断していた。従来の職員健康診断の運用方法を抜本的に改善した今回の外部委託による健康診断の実施は、産業医(常勤医師)の負担軽減に繋がったとともに職員の疾患疾病に対する個人情報保護に関して格段の満足を得られる結果に繋がった。また、従来の運用では、職員の健康診断結果に対して、経過観察との診断が成された場合、異常値を示した検査数値に対して、個々に生活習慣指導を促すのみに留まり、要精査の診断でない限りは他医療機関への受診は個々の判断に委ねられており、個々に取り組みが甘かったが、外部委託による健康診断の実施に運用を変更したことで、経過観察の診断が成された者にあっても他医療機関を受診し、その結果を外部委託先に報告することとなり、職員の健康教育や身体的健康対策(生活習慣病対策等)に繋がり、飛躍的に改善している。
また、院内で健康診断を実施していた際は、各検査を実施する技師及び採血を実施する看護師も共に同僚であり、検査を実施するにあたり異性間でのストレスも職員からの不満として声があったが、外部委託により各検査項目の実施も外部委託先の職員であるため、改善している。
その他、従来は、労働安全衛生法に定められた健康診断検査項目のみの実施であったが、外部委託と健康保険を併用することで、希望者に対して有償ではあるが追加検査が可能となり、講評を得ている。

 B型肝炎ワクチン接種及びインフルエンザ予防接種の実施にあっては、感染症予防対策として直接雇用の職員にあっては接種料の全額を病院負担としており、B型肝炎ワクチンにあっては、入職前に院内にて採血検査を実施し、抗体価を測定することで実施の必要性を感染対策委員会を含め判断し、実施している。また、インフルエンザ予防接種にあっては、職員のみならず職員の同居家族及び病院出入業者も含めた希望者に対して実施しており、関係者からは大変講評を得ているが、何れも内部からの罹患を防ぐことを目的として、実施している。その他、職員入職前健康診断項目としてツベリクリン反応検査を実施していたが、検査回数による職員負担の軽減及び検査結果を迅速するため、現在は、T-スポット検査へ変更し、結核菌の感染に対する免疫抑制状態における補助診断として実施しており、職員入職前健康診断の効率化が図られている。

今後の課題等について

 外部委託で職員健康診断を実施することで、①健康診断の解析及び診断に時間を要する必要がなくなり、早期に職員に回答することができるようになった。②時間経過ともに病状が変化することなく、短期間で職員へ回答が可能となり、疾病予防観点からも未然の疾病抑止に繋がった。③院内にて職員健康診断を実施していた際は、院内実施のため、全職員が受診期間内に実施することが出来なかったが、外部委託により、受診期間以外の受診は健診センターへ足を運ぶ必要性が発生するため、全職員全てが受診期間内で受診し、短期間での100%の受診率を確保することが可能となった。等、複数の改善がされた一方で、業務時間内で実施しているため、業務業況に応じて勤務調整が難しい等の職員からの声もあり、運用方法の改善等外部委託先と調整し、より職員満足の高い運用方法を検討していく必要もある。