取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
2 勤務負担軽減
その他の情報通信機器を活用した業務効率化・省力化を推進している
【取組(2)】
Ⅱ.職員の健康支援
2 労働安全
職業感染(結核・インフルエンザ等呼吸器感染、HBV/HCV/HIVの針刺し切創対策、ワクチン等)に取り組んでいる

取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点

 福井県では新型コロナウィルスの新規感染者数が増加し、入院患者数においても基準を超えることが見込まれるため「福井県感染拡大警報」が発令された。そのような状況下において医療者の感染を防ぎ、安全に治療を行うため、極力患者さんとの接触を減らす必要がある。また、入院されている患者さんは、面会禁止によりご家族とも会うことができず、不安な日々を過ごされている。そこで「感染予防」という観点からロボットの導入を検討した。
*内容は2021年2月1日現在のものです

取り組み対象

  • 取り組み対象
    医師,看護職
  • 取り組みの中心部署・人物
    経営企画課
  • 取り組み詳細
    アバターロボット「newme(ニューミー)」の導入
    ・入院患者と家族との面会やお見舞いに活用しています。
    ・今後、新型コロナウイルスの感染が再拡大した場合に、感染防止のために患者との接触を減らせるように、入院患者の巡回時に医師や看護師とのコミュニケーションツールとして活用する予定です。
    ・操作方法は、操作側(面会者・医療スタッフ)がPCから「newme(アバターロボット)」を遠隔操作します。「newme」はインターネットを経由して双方向のデータ通信を行いコントロールすることができます。操作側はPC操作により「newme」を患者さんのベット近くまで移動させ、会話などのコミュニケーションをとりながら顔色などの容態を確認することができます。

    「newme(ニューミー)」とは
    ・高さ150センチのボディの上に10.1インチ(26センチ)のタッチパネル式ディスプレイを搭載しています。
    ・15.5キロと軽量で、折り畳み式であるため持ち運びが簡単です。
    ・ボディのクッションパーツは着脱式でパーツごとにカラフルなカラーの選択も可能です。
    ・下部の車輪やモニターの上下首振りをPCから遠隔操作することができます。
    ・前方には衝突防止センサーを装着しており、最大連続動作時間は3時間です。

実施後の成果

Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
2 勤務負担軽減 成果
新型コロナウィルスに起因する業務負担の軽減
成果の出た対象 ☑医師,☐コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(1)】 【取組(2)】
成果指標
・患者さんは、モニターに映し出された医師や看護師の顔を見ながら体調を伝えることができるため、入院に不安を感じる方にも安心していただくことができます。医療者は患者さんの顔色や身体の様子をモニターや声で確認できるため、細かい体調の変化にも気づくことができます。
・入院中のご家族との面会は、原則禁止としており、携帯電話などで会話しかできませんでしたが、モニターを通して顔を見ることが可能となり、患者さんと家族が共に安心して治療に専念していただくことができるようになりました。

これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応

 更に高機能・高精度になれば、医師や看護師が病室に入らなくても病室にいる患者さんへの巡回や診察、服薬指導が可能となります。「非接触」で容態の確認ができれば、巡回の度に着脱の必要があるゴーグル、N95マスク、手袋、ガウンの手間や物資不足が解消できます。フル装備では手間や時間がかかる為、少しでも負担軽減に繋げられるようnewmeの運用を重ね、体制を整えていきたいです。
 また、患者さんと「非接触」で容態確認ができるようになれば、全国的に問題となっている院内・施設内での感染リスクやクラスター感染も防げます。医療者が抱える日々の心理的負担も軽減できるはずです。また、医療者への感染リスクが軽減されることは、帰宅後のご家族の安心にも繋がります。

・看護師からの声「ディスプレイに映し出される患者さんの顔をみて、顔色がわかるのが良い」
・患者さんご家族からの声「面会禁止となっているので、家族としては心配なので、面会できることはありがたい」

今後の課題等について

 newmeの効果が確認されれば導入台数を増やし、結核などの患者にも役立てたいと考えています。また、操作方法がPCに限定されるため、タブレットなどのデバイスからも操作できるようになったり、操作画面も使いやすく改良されていけば不慣れな人など誰でも使用しやすくなると思います。昨年12月には人工知能(AI)を搭載した除菌清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」を院内に導入致しました。新型コロナウイルスの感染者を受け入るため専用病棟を設置した際、病棟の清掃を看護師が行っていましたが、「Whiz(ウィズ)」の導入により少しでも看護師の負担を軽減出来ればと思っております。未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにも、今後もこうした最新技術を活用し、職員や患者様、そしてそのご家族においても安心して過ごせる環境づくりを目指していきたいです。

取り組み・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
社会福祉法人恩賜財団済生会支部
病院名
福井県済生会病院
法人(病院)の開設主体
公的医療機関(日赤、済生会、北海道社会事業協会、厚生連、国民健康保険団体連合会)
所在地
福井県福井市和田中町舟橋7番地1
主たる医療機能の特徴
急性期機能
一般病床
病床数: 456
 
入院基本料:7対1
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数: 4
 
入院基本料:7対1
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
一日あたりの平均外来患者数
1079人(令和1年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
382人(令和1年度数値)
一般病棟の平均在院日数
10.4日(令和1年度数値)
病床稼働率
90.5%(令和1年度数値)
職員総数
1195人(令和2年度数値)
医師
137人
看護職
580人
医師事務作業補助者
看護補助者
医師の交代制勤務の有無
あり
看護師の交代勤務の状況
2交代制(変則含)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
第5回ワーク・ライフ・バランス大賞優秀賞受賞
第1回カエルの星(内閣府)認定
働きやすい病院「ホスピレート」認証