取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
戦略的なキャリア形成・ロールモデルの育成
【取組(2)】
Ⅳ.働きがいの向上
2 休業後のキャリア形成支援
その他
育児中医師の負担軽減

取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点

外科という診療科は①時間外業務が多いためワークライフに乏しい②時短勤務が困難な特性があり復職が困難③出産後のアカデミックキャリアの継続が困難④アカデミアにおける女性のロールモデル不足といった問題があり、まだまだ男性優位な診療科である。
「男女共同参画社会やダイバーシティ」という言葉は知っているが、内容について十分理解している医療従事者が少ないと考えている。
男性優位な診療科であるからこそ、ダイバーシティを生かし男女共同参画にとり組むことが、病院ひいては医療業界全体の変革に繋がると考え取り組みを進めることとした。

取り組み対象

  • 取り組み対象
    医師
  • 取り組みの中心部署・人物
    消化器移植外科
  • 取り組み詳細
    ヒアリングの実施:男女共同参画に向けた取組を進めるために、対象者となる職員にヒアリングを実施し、現状を正しく認識すことに努めた。
    トップダウンによる取組体制:診療科長主導のトップダウンによる体制であったため、スピード感をもった取組が実現された。
    育児中医師の働き方:育児中医師(男女問わず)で希望者を対象に、早朝カンファレンスや当直を免除するなどして、育児中医師の負担軽減を図った。
    戦略的なキャリア形成支援:若手時代よりアカデミアに興味を持てるような教育体制を構築したり、早期に学位取得や業績を蓄積できるような仕組みを作った。戦略的にキャリアを形成できるようになったことで、出産後もキャリアを生かすことができるようになっている。
    ロールモデルの育成:学生へダイバーシティ講義の実施や外科の取組の啓蒙の実施に加え、主要外科系学会の意思決定組織への推薦を実施することで、外科において女性でも活躍できるロールモデルを育成した。

実施後の成果

Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
組織が期待するような職員のキャリア形成(職員の業務遂行能力の向上、期待どおり又は期待以上の能力の発揮等)が実現されている
成果の出た対象 ☑医師,☐コメディカル,☐看護職,☐事務職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(1)】
成果指標 出産後にサブスペシャリティを獲得し、キャリアの継続が実現されている。
主要外科系学会は女性評議員が1%にも満たないが、当院から評議員として活躍の場を広げている女性医師がいる。
Ⅳ.働きがいの向上_成果
2 休業後のキャリア形成支援 成果
休業から復帰後の職員のキャリア形成(復帰職員の業務遂行能力の回復・向上、実施可能業務の拡大等)が実現されている
成果の出た対象 ☑医師,☐コメディカル,☐看護職,☐事務職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(2)】
成果指標 男性医師も育児負担軽減のサポートを受けている。
Ⅴ.その他_成果
ダイバーシティ教育への貢献
成果の出た対象 ☑医師,☐コメディカル,☐看護職,☐事務職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(1)】
成果指標 学生への早期ダイバーシティ教育が実現されている。
Ⅴ.その他_成果
医局への志望者が増加している
成果の出た対象 ☑医師,☐コメディカル,☐看護職,☐事務職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(1)】 【取組(2)】
成果指標 取組開始以降、3名の女性医師の外科への入局しており、そのうち1名が妊娠出産を経験している。

これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応

取組を進めることができたのはトップのリーダーシップがあったからだ。組織を変えるにはリーダーが率先して行動することが大事である。

今後の課題等について

今後は外科全体、ひいては医師全体の働き方改革推進が必要であり、タスクシフト、タイムシフトや外科医自身の意識改革も必要と考えられる。

取り組み・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
国立大学法人徳島大学
病院名
徳島大学病院
法人(病院)の開設主体
国等(厚労省、国立病院機構、国立大学法人、労働者健康安全機構、国立高度専門医療研究センター、地域医療機能推進機構、その他国の機関)
所在地
徳島県徳島市蔵本町2丁目50−1
主たる医療機能の特徴
急性期機能
一般病床
病床数: 643
 
入院基本料:7対1
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数: 41
 
入院基本料:10対1
その他病床
病床名:感染症病棟
 
病床数:8
 
入院基本料:7対1、一類
一日あたりの平均外来患者数
1844人(令和2年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
525人(令和2年度数値)
一般病棟の平均在院日数
12.3日(令和2年度数値)
病床稼働率
77.2%(令和2年度数値)
職員総数
2031人(令和2年度数値)
医師
485人
看護職
868人
医師事務作業補助者
28人
看護補助者
52人
医師の交代制勤務の有無
あり
看護師の交代勤務の状況
2交代制(変則含),3交代制と2交代のミックス(同一病棟内)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
特に無し