取組事例・提案の紹介

病院全体で改善に取り組む風土づくりへの第一歩

取組・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
公益財団法人 復康会
病院名
鷹岡病院
法人(病院)の開設主体
その他(公益法人、私立学校法人、社会福祉法人、医療生協、会社、その他の法人)
所在地
静岡県富士市天間1585
主たる医療機能の特徴
急性期機能
一般病床
病床数:
 
入院基本料:
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数: 184
 
入院基本料:その他 精神科救急入院料・認知症治療・精神科療養
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
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一日あたりの平均外来患者数
107.3人(平成28年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
127.5人(平成28年度数値)
一般病棟の平均在院日数
0日(年度数値)
病床稼働率
68.8%(平成28年度数値)
職員総数
154人(平成28年度数値)
医師
12人
看護職
56人
医師事務作業補助者
0人
看護補助者
27人
医師の交代制勤務の有無
なし
看護師の交代勤務の状況
2交代制(変則含)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
なし

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取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
1 労働時間管理
年次有給休暇をはじめとする休暇の取得を促進している
【取組(2)】
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備
3 風土・環境整備
職員向けに、院内に仮眠室や休憩室等を整備している
【取組(3)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
その他
職務意識調査の実施とフィードバック

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 ここ数年、新卒看護師の就職がないなど、人が集まらない厳しい状況であった。看護学校の先生は一般科から就職を勧める傾向があることや、精神科患者に関する報道等によるイメージもあり、看護職の再就職時にも二の足を踏むような状況である。また、病院が富士山を望む風光明媚な環境にあるとはいえ、最寄駅や最寄バス停から病院まで少し時間がかかるため、不便だという印象をもつのだと考えられる。
 そのような中、平成26年度「雇用の質向上」のモデル事業を受託したことを院長が発表し、勤務環境改善に取り組むことになった。

取組対象

  • 取組対象
    医師,コメディカル,看護職
  • 取組の中心部署・人物
    院長を委員長とした「勤務環境改善委員会」を設置した。
    職域職責のバランス・男女のバランスを考慮し院長・看護部長・病棟看護主任・事務主任・精神保健福祉士・調理師の6名で活動している
  • 取組詳細
    ①時間外労働と年次有給休暇消化率の把握
     部署長が部署職員の時間外労働時間と年次有給休暇消化日数を委員会に報告し、委員会で集計した。これらは事務職が取りまとめることができるが、自部署職員がどのように働いているかを把握するため、あえて部署長が取りまとめる、という段階を踏んだ。
    時間外労働は、薬剤課と事務課が多いことがわかった。これは、外来が増加しているためだと考えられる。
    年次有給休暇消化率は、病院全体平均は81.7%であったが、薬剤課を含む診療部と事務課を含む事務部は低い結果となり、時間外労働も踏まえると部署間の差が明らかとなった。
    ②取組の「見える化」-勤務環境改善委員会ニュース発行
     2交代制の病棟内にある仮眠室のソファーベッドが寝にくいという意見があり、新しいソファーベッドを購入した結果、「以前よりも良くなり、短時間でも休めた」といった声が寄せられた。このベッド改善についての取組を勤務環境改善委員会ニュースとして発行し、職員食堂に掲示した。職務調査の実施
    ③職員に職務意識のアンケートを実施した。
     部署長から各職員にアンケートを配布し、職員は回答したアンケートを個人封筒に封をして入れ、部署ごとに回収する。回収したアンケートは部署長が院長に提出した。意見等は院長のみが把握することができ、委員会では数字のみを集計することとした。2014年11月の調査結果を踏まえ、「適正な評価(モチベーション)」と「フィードバック(情報共有)」に注目し、改善に取り組んだ。以前より「個人目標管理シート」を病院全体で使用していたが、面接とセットではなく、形骸化してきていた。改めて、目標管理に取り組むことになり、「個人目標管理シート」を使いやすいシートに変更したほか、「個人目標管理シート」を活用し、面接でフィードバックすることでモチベーションアップをめざした。

実施後の成果

Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
1 労働時間管理 成果
年次有給休暇の取得率が上がっている
成果の出た対象 ☑医師,☑コメディカル,☐看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】
成果指標 業務に支障がないように調整しながら有給休暇を取得することとし、最も取得率の低かった診療課は34.7%から39.7%にアップした。
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果
3 風土・環境整備 成果
職員による職場環境・風土に関する評価が前回調査と比べて改善されている
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(2)】
成果指標 「とても良い」「良い」のパーセントで前年と比較したところ、「働きやすい環境」は86%で変わらず、「福利厚生」では62%が75%に上昇している。
Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
職務意識調査をフィードバックし、部署にてできる改善活動を実施した結果、職務満足度が向上した
成果の出た対象 ☑医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(3)】
成果指標 「勤続への意欲」は「とてもある」「ある」の割合が80%から81%に上昇した。もともと満足度が高いため、大きな変動は見られないが、大幅に下がった項目はなかった。

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

 平成27年の調査では平成26年度よりも高い評価が得られた。職務意識調査の結果を見ると、「働きやすい環境」86%、「仕事のやりがい」81%、「安全面への配慮」71%と職員の満足につながる項目において評価が高く、その結果「勤続への意欲」も80%(とても続けたい・続けたいの回答率)と高い水準となっている。これは、時間外労働が少なく、年次有給消化率が高いこと、交通の便は悪いものの、敷地が広く、駐車場が敷地内に完備されていることなど、働きやすい職場環境であることが評価されたと受け止めている。
 人材の確保についても厳しい状況が続いているものの、精神保健福祉士は毎年新卒者が入職しており、看護部でも来年度は新卒者の入職が予定されている。厳しい状況ではあるが、取組の効果が徐々に表れており、明るい未来への兆しと感じている。

今後の課題等について

 今後の取り組みについては、今までやってきたことを地道に継続して行くことが大事である。年次有給消化率や時間外労働における部署間・個人の差が明らかになっており、部署間負担・個人負担の平準化を図っていく。また、個人目標管理のさらなる活用、安心・安全な職場づくり等の取り組みをしていくことと並行し、病院内外に取り組みについて情報発信をして、病院全体の意識アップに取り組んでいく。
 病院の規模にかかわらず勤務環境改善は可能であり、まずは「病院全体で改善に取り組む風土づくり」が必要だと考える。それには、院長の勤務環境改善への関わりや勤務環境改善の目的や目標等を病院全体で共有することが大切である。今後も、勤務環境の改善により、職員の健康と安全の確保およびモチベーションの向上を図り、「患者への医療の質の向上」をめざしていく。