取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備
1 仕事と子育て・介護等の両立支援
院内保育所や提携保育所等を整備している
【取組(2)】
Ⅳ.働きがいの向上
1 キャリア形成支援
正規・非正規を問わずすべての職員のキャリア形成支援(研修等に関する情報提供や研修等への職員参加の支援、子育て等と両立しながらの勤務の継続に関する相談窓口の設置や情報提供等)が実施されている

取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点

 平成24年頃、例年と比べ、比較的多くの看護師が退職したことがあったが、このことに対しては特に対策は行わなかった。
 その後、看護部長がMBAを取得し、看護師の「働き甲斐」がどこにあるのか、待遇だけではなく「働き甲斐」とは何かを考えるようになったことがきっかけで、看護部門を始めとした勤務環境改善に取り組むようになった。

取り組み対象

  • 取り組み対象
    医師,コメディカル,看護職
  • 取り組みの中心部署・人物
    院長、事務部長、事務副部長、看護部長、看護副部長、リハビリ部長で構成される運営企画会議、また、産業医や現場の代表者による衛生委員会
  • 取り組み詳細
     病棟に事務員を配置し、病棟クラークとして書類の管理や患者への入院手続き等の説明を行うことで医師や看護師の負担を軽減している。また、医師の負担軽減については、連続当直にならないように、紹介元(※)の急性期病院の医師や、同一法人内の急性期病院の医師に当直に来てもらっている。なお、女性医師については臨時の場合を除き、当直を免除している。
    (※)当院は120床全床回復期病院であり、入院患者はほぼ全員地域の急性期病院の脳血管外科や神経内科、整形外科等関連診療領域からの紹介で入院となっている。
     時間外労働時間の把握や、夜勤・交代制勤務の勤務間隔を適切に管理を行っており、リハビリ部については「ノー残業デー」を設定し、徹底実施している。
     また、有給休暇の取得促進に努めており、職員については予め休暇取得するよう管理職から声を掛けた上で、長期の休暇希望を確認し勤務予定を立てている。
     看護師等の教育、資格取得支援については看護部長のもと、スキルアップに努めており、OJTや座学により学ぶとともに看護師のクリニカルラダー等の看護教育を整備をしている。
     また、認定看護師の取得支援を行っており、現在2名の認定看護師が在籍している。各病棟にそれぞれ看護課長を2名ずつ配置しているが、1名は認定看護師であり、クリニカルチーフとして看護実践での指導等を行っている。新人看護師の教育については、主任が新人スタッフを集めて話を聞く場を毎週設けており、メンタル面も含めた新人スタッフのフォローを行っている。なお、看護師における認定看護師の取得支援のほか、各職種においても必要な資格取得の支援を行っている。取得の際には身分保障や一時金の支給も行い、安心してスキルアップに励むことができる体制を整えている。資格取得に応じた手当の支給もある。
     院内保育所は小規模病院単体での保育所設置は経営的な課題もあり、企業主導型保育事業の助成金の活用を含めてミーティングを重ね開設準備を行なった。職員アンケートを実施し、利用意思やニーズ調査、設置する場合の希望などを行い、委託業者の選定、設置場所検討と院内の使用用途変更などの検討、院内の改装工事、助成金申請手続きを経て開設した。開設後は委託業者を含めて月1回の定期的な運営についてのミーティングを行い、より利用しやすい保育所運営に努めている。

実施後の成果

Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果
1 仕事と子育て・介護等の両立支援 成果
育児休業取得後の復職者数が男性職員・女性職員ともに増えている
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(1)】
成果指標 ・育児休業取得後の復帰者数が増加しほぼ100%となっている。
Ⅳ.働きがいの向上_成果
1 キャリア形成支援 成果
研修・学会への参加職員数や、職員による学会への発表数が増えている
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☑看護職
成果に影響を与えた取り組み 【取組(2)】
成果指標 ・働きやすい環境を整え、スタッフが働きがいを持って仕事ができるようになったことにより、看護師の離職率が低下するとともに、人材の確保がしやすくなった。また、支出に占める研修費の割合も増え、充実した。

これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応

 働く環境を整えるにあたり、看護師、看護助手等、それぞれが担う業務を分担している。各職種の人材確保に努める中、看護師の確保はできるようになったが、一方で看護助手が不足しており、募集してもなかなか集まらない状況である。介護福祉士の資格所有者の待遇改善、役割拡大は行なっているが、職員の満足度の改善には効果が期待できるものの、採用については結果につながっていない。特に医療機関では介護保険事業所と違い処遇改善加算がないため介護施設との人材確保の競合で不利な状況にあり、採用環境が非常に厳しいため、有効な対策ができていない状況にある。

今後の課題等について

 看護助手の待遇改善のための取組みや働きがいづくりは継続して取組むべき課題としている。
 そのほかに、病院全体の取り組みとして有給休暇の取得促進に努めており、職員については予め休暇取得するよう管理職から声を掛けた上で、長期の休暇希望を確認し勤務予定を立てているものの、部署によっては取得しにくいところもあるため、部署間にバラツキなく、全てのスタッフが有休を取得しやすくなるよう、更なる人材の確保が必要である。
 環境改善においては保育所も多くの職員が利用するようになり、定員増も検討するような段階になってきたが、今後も利用しやすい保育所となるよう引続き運営について検討を続けていく。
 院内でのアンケートでは教育、研修の充実が働きがいに相関しているという結果が出ており、働きがいの向上について看護師やリハビリ部において、管理職を労務管理等の部署の管理と教育、研修活動等に分けそれぞれは位置し、充実するよう取組んでいる。ここ数年は看護師の離職率も低下傾向であり、今年度はリハビリ部での退職者数も例年より少なく(平成29年度退職者は2名/92名中)、効果が出てきていると実感しているが、継続して取り組みを進める。

取り組み・提案者概要

取組者
病院単体での取組
法人名
医療法人 偕行会
病院名
偕行会リハビリテーション病院
法人(病院)の開設主体
医療法人
所在地
愛知県弥富市神戸5丁目20番地
主たる医療機能の特徴
回復期機能
一般病床
病床数:
 
入院基本料:
療養病床
病床数: 120
 
入院基本料:その他 回復期リハビリテーション病棟入院基本料
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数:
 
入院基本料:
その他病床
病床名:
 
病床数:
 
入院基本料:
一日あたりの平均外来患者数
24人(平成28年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
107.9人(平成28年度数値)
一般病棟の平均在院日数
0日(年度数値)
病床稼働率
89.9%(平成28年度数値)
職員総数
222人(平成28年度数値)
医師
8人
看護職
68人
医師事務作業補助者
0人
看護補助者
36人
医師の交代制勤務の有無
あり
看護師の交代勤務の状況
2交代制(変則含)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
ファミリーフレンドリー企業