取組事例・提案の紹介

全病棟への薬剤師配置による、薬剤師の薬物療法への参画および医師との協働による業務の推進

取組・提案者概要

取組者
法人全体の取組
法人名
国立大学法人
病院名
広島大学病院
法人(病院)の開設主体
国等(厚労省、国立病院機構、国立大学法人、労働者健康安全機構、国立高度専門医療研究センター、地域医療機能推進機構、その他国の機関)
所在地
広島県広島市南区霞1-2-3
主たる医療機能の特徴
高度急性期機能
一般病床
病床数: 724
 
入院基本料:7対1
療養病床
病床数:
 
入院基本料:
結核病床
病床数:
 
入院基本料:
精神病床
病床数: 20
 
入院基本料:その他 特定機能病院入院基本料7対1
その他病床
病床名:感染症病床
 
病床数:2
 
入院基本料:救命救急入院料3
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一日あたりの平均外来患者数
2343.1人(平成28年度数値)
一日あたりの平均在院患者数
659.6人(平成28年度数値)
一般病棟の平均在院日数
13日(平成28年度数値)
病床稼働率
88.4%(平成28年度数値)
職員総数
2782人(平成28年度数値)
医師
754人
看護職
889人
医師事務作業補助者
41人
看護補助者
44人
医師の交代制勤務の有無
あり
看護師の交代勤務の状況
3交代制と2交代のミックス(同一病棟内)
勤務環境改善についての表彰・認定等について
特になし

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取り組んだ内容

【取組(1)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
1 労働時間管理
その他
非番、代休、年休等の選択自由度の上昇
【取組(2)】
Ⅰ.働き方・休み方改善
2 勤務負担軽減
その他の情報通信機器を活用した業務効率化・省力化を推進している

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 1988年より服薬指導を主体とした病棟業務を開始。前薬剤部長就任(1995年)後、薬剤師は、医薬品を物としての管理だけでなく、薬物療法を安全かつ有効に行うための業務を行うとの強い理念に基づき、「全病棟へ病棟薬剤師配置」「医師・看護師など多職種と連携し、薬物療法へ参画する」「業務内容の標準化」などの施策を実施してきた。

取組対象

  • 取組対象
    コメディカル
  • 取組の中心部署・人物
    薬剤部長の指示の下、副薬剤部長・薬剤主任が主となり取り組んだ。
  • 取組詳細
     業務量・業務フローの確認やシステム化推進は現場に近い薬剤主任が中心となって行い、スタッフ面談や業務量の把握を通じ、業務上のボトルネックの確認やシステム化を図る業務を抽出した。
    ○働き続けやすい職場づくり
    ①病棟薬剤師(19名)のグループ制(複数担当者制)の整備
     病棟薬剤師を複数のグループ(一般病棟:3~5名を4グループ)に分け、そのグループ単位で「患者の割り振り」「各種教室担当」「調剤業務の担当時間」などの業務調整を考えるようにした。グループリーダーは年齢や薬学的能力などでなく調整能力を重視して指名する。会議は、目的を明確にして、検討事項を話し合う「リーダー会議」と伝達中心である「室内会議」の2つとしている。
    ②業務標準化(薬剤部内での標準化と院内全体の調整が必要な標準化)
     基本的な患者への説明内容や記録など薬剤部内(病棟薬剤師間)における標準化は、病棟業務部門システムのテンプレートを活用するとともに、グループリーダーおよび主任が業務に関する状況把握を行い「リーダー会議」にて問題点を検討している。臨床現場での基本業務は、原則院内全体で調整し統一を図っている。持参薬管理や定数配置薬管理は、安全管理部や看護部などと調整し運用や様式を院内で統一した。また、定数配置薬品の使用済み薬剤の処方やがん化学療法における支持療法など事前の協議に基づいた処方に関して、病院の会議で承認を得て薬剤師が処方入力可能として、現場で速やかに患者へ適切な対応ができるようにした。患者説明用の文書など個々で作成していた文書を、担当者を決めて類似の内容を整理し、部内もしくは院内で統一の書式とした。
    ③ITの活用
     院内の電子カルテ化宣言に先駆けて、病棟業務部門システムを導入し、業務の拡大に合わせて端末台数を増やしていった。現在は、Web版を導入することで院内全医療端末から利用可能となった。さらに、平成24年度診療報酬改定による病棟薬剤業務実施加算にも対応しており、薬剤師による病棟業務全般をシステム上で一元管理できるように整備した。
    ④病棟専従リーダー薬剤師の設置
     試行ではあるが、2012年6~7月の2ヶ月間、循環器病棟(51床)で病棟薬剤師(204床/4名)に加え、リーダー薬剤師(薬剤師経験10年、該当病棟担当年数10年)を配置し、「病棟薬剤師の業務拡大によるインシデント低減への効果」や「医師及び看護師の負担軽減効果」を検証した。介入前後の結果を比較すると、「プレアボイドの件数が約2.5倍に増加、インシデント件数は1/5~1/6に減少」「内服・外用の定期及び退院時処方件数が増加し、臨時・緊急処方件数が減少」する等の効果が得られた。
    ○働きがいのある職場づくり
     業務の質的向上・標準化・効率化を図るため、部内にインシデントを検討する「リスクマネジャアシスタントチーム」、「日夜勤チーム」、部内の感染対策を実践する「感染チーム」などを設立している。それぞれ「話し合い」にて提案された業務改善の内容は、部長・副部長会議を経て、薬剤部主任会議へ提出され、その後スタッフへ周知される。一人ひとりが薬剤部の一員であることを自覚し、問題意識を持って物事の解決にあたり、それを部内のルールとして浸透させていく仕組みを構築している。

実施後の成果

Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
1 労働時間管理 成果
非番、代休、年休等の選択自由度の上昇
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☐看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(1)】
成果指標 ・グループ化することにより、担当者間で不在時や交代時の調整が容易になった(定性情報)
Ⅰ.働き方・休み方改善_成果
2 勤務負担軽減 成果
記録作成時間の短縮
成果の出た対象 ☐医師,☑コメディカル,☐看護職
成果に影響を与えた取組 【取組(2)】
成果指標 ・一人一台の端末配置、テンプレートの充実により記録作成時間が短縮した(定性情報)

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

 薬剤師を増員し、全病棟へ薬剤師を配置し「業務の標準化」「システム化」等を図ってきた結果、生産性が向上し単位あたり処理時間は減少した。

今後の課題等について

 結果として、院内全体としては、薬物療法に関して、質的向上に加え、医師の負担軽減に非常に大きく寄与し、看護師の負担軽減にも寄与したが、薬剤師に求められる役割は拡大しており、業務量は大幅に増加した。安全な業務推進にはさらなる増員が不可欠である。今後も、常に、より良い薬物療法の提供をという理念の元、全員が「自ら考える」ことを忘れず、業務に取り組んでいきたい。