取り組んだ内容
【取組(1)】 Ⅱ.職員の健康支援 |
1 健康管理 |
その他 |
夜勤の仮眠時間を確保する |
【取組(2)】 Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備 |
1 仕事と子育て・介護等の両立支援 |
法定以上の育児休業制度、子の看護休暇制度(男性職員・女性職員ともに対象)を導入している |
【取組(3)】 Ⅱ.職員の健康支援 |
1 健康管理 |
職員の健康教育や身体的健康対策(生活習慣病対策等)に取り組んでいる |
【取組(4)】 Ⅳ.働きがいの向上 |
1 キャリア形成支援 |
その他 |
・研修費助成規程・旅費規程の導入・ラダー研修の充実 |
取り組みのきっかけ、背景、取り組み前の問題点
平成22年から3年間の統計では、離職率が20%前後のため紹介会社を使って採用しても1年未満の離職者が多かった。平成24年度の看護師離職率が30%近くになり、看護師が定着し働き続けられる病院にするために
どうすれば良いか考えている時に平成25年宮城県看護協会から「WLB推進ワークショップ」の参加募集があり、取り組みに参加した。
取り組み対象
- 取り組み対象
コメディカル,看護職
- 取り組みの中心部署・人物
「WLB推進ワークショップ」申し込みにあたり、看護部長が管理者会議で説明し、院長の了承を得た。その後、看護部WLB推進委員会を立ち上げた。メンバーは、看護部長・副部長・師長2名主任3名と総務課長の8名構成とした。
- 取り組み詳細
平成25年1回目のインデックス調査分析から、①夜勤の仮眠時間が確保できない②制度の周知・整備が不十分である、の課題が見えたことから、夜勤の仮眠時間確保、制度の認知度が上がる、に取り組んだ。
【夜勤の仮眠時間確保】
現状は、椅子に座ったままのうたた寝で30分程度だったことから、日本看護協会の「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」から、夜勤の心身の及ぼす影響を看護職員に伝え、ナースステーションから離れた所に仮眠場所を決め、4ヶ月後には1時間確保できるようになった。
【制度の認知度を上げる】
制度について知らない人が7割いたことから、総務から「就業規則」宮城県労働基準局から「労基法」について説明を受けた。
平成26年2回目のインデックス調査から、「現在の健康状態がやや不調」と答え、腰痛が原因の退職者が出たことから、腰痛予防に継続的に負担を軽減できる方法として、おむつ交換を見直す必要を感じた。そんな時、交換回数が少ない高機能オムツがあることを知り導入した。
平成27年3回目のインデックス調査から、「そう思う」「ややそう思う」の割合が3年間で一番下がった項目が9項目あった。 管理者から「弱みをこのままにしていては何も変わらない。具体的にみんなの気持ちを知る方法を考えるように指導をうけ、看護職全員に「そう思わない」理由を率直に記入してもらった。個人が特定できないようにパソコン入力し、プリント提出とした。
125件の意見が出て分類すると1)看護部上司に関する内容については、看護部長から師長・主任・副主任に再度、役職者の心構え・職務規程を説明し、2)組織 3)仕事4)教育については、病院管理者に伝えた。結果、病院として「研修費助成規程・旅費規程」が作成され、研修支援が受けられるようになった。
看護職ラダー研修は、看護部役職者が研修企画して実施できるようになった。平成28年4回目のインデックス調査結果、4年間で一番上がった項目が3つあった。
1)看護職員を大切にする組織である。3.6% → 10.9%
2)今の勤務先に出来るだけ長く努めたい。 7.3% → 16.4%
3)組織は、能力開発のための研修の実施、または、その参加を支援してくれる。5.5% → 12.7%
平成28年度の離職率は、5%に低下した。
実施後の成果
Ⅱ.職員の健康支援_成果 | ||
1 健康管理 成果 | ||
夜勤の仮眠時間が確保できた。 | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(3)】 | |
成果指標 | 【夜勤の仮眠時間確保】 ・夜勤の仮眠時間が交代で各自60~70分確保できている。 ・平成28年病院で仮眠室を新しく整備してくれた。 |
Ⅲ.働きやすさ確保のための環境整備_成果 | ||
1 仕事と子育て・介護等の両立支援 成果 | ||
制度の認知度が上がった。 | ||
成果の出た対象 | ☑医師,☑コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(2)】 | |
成果指標 | 【制度の認知度が上がる】 ・当院は、法律で定められている制度については、本人の申し出があれば、全て対応していることを全職員が分かった。 ・制度を知り、必要時制度を利用できる職場風土になった。 ・介護休暇を気兼ねなく取れるようになった。 ・当院オリジナルのメモリアル休暇(誕生日・結婚記念日など本人、家族のイベントに関係する日を何でも自由に1日/年取得できる)を職員の80%がとれた。 |
Ⅱ.職員の健康支援_成果 | ||
1 健康管理 成果 | ||
おむつの交換回数の減少 | ||
成果の出た対象 | ☐医師,☐コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(1)】 【取組(2)】 【取組(3)】 | |
成果指標 | 【おむつの交換回数の減少】 おむつの交換回数が1日3回になった。 |
Ⅳ.働きがいの向上_成果 | ||
1 キャリア形成支援 成果 | ||
研修・学会への参加職員数や、職員による学会への発表数が増えている | ||
成果の出た対象 | ☑医師,☑コメディカル,☑看護職,☐事務職 | |
成果に影響を与えた取り組み | 【取組(2)】 【取組(4)】 | |
成果指標 | 【研修費助成規程・旅費規程の導入】 ・コ・メディカルも外部研修参加の意欲が出てきた。 ・学会発表は遠くても出してもらえるので看護研究が盛んになった。 ・看護部ラダー研修は、師長・主任が企画して実施できるようになった。 ・ラダー研修対象者の向学心がでてきた。 |
これまでの取り組み成果に対する院内の声・反応
WLBは全職員のものであることを取り組み当初から、各部署に伝えてきました。そして、取り組みで変化したことは、全職員に適用されているのですが、今だにWLBは看護師のものと思っている職員がいます。
これは、看護職以外の職員は、自分の思いを出す調査を受けていないからだと思います。
医療勤務環境改善が、国の政策で各県にセンターができ、取り組みが始まっていることを知り、心強く思います。看護職のWLBを推進するために全国共通のインデックス調査があるように、医療職全員が調査を受けられるシステムの紹介または、支援があることを要望します。
今後の課題等について
今後は、医療職全員が調査を受けられ、分析・改善につなげることが必要と考えます。また、WLBのサイクルを回し続けることが必要です。
当院は、今後も組織一体となって、「全職員が働き続けられる職場づくり」を目指して、WLBの取り組みを続けていきます。
取り組み・提案者概要
- 取組者
- 病院単体での取組
- 法人名
- 医療法人社団 脳健会
- 病院名
- 仙台東脳神経外科病院
- 法人(病院)の開設主体
- 医療法人
- 所在地
- 宮城県仙台市宮城野区岩切1丁目12-1
- 主たる医療機能の特徴
- 急性期機能
- 一般病床
- 病床数: 93
- 入院基本料:10対1
- 療養病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 結核病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- 精神病床
- 病床数:
- 入院基本料:
- その他病床
- 病床名:
- 病床数:
- 入院基本料:
- 一日あたりの平均外来患者数
- 85人(平成28年度数値)
- 一日あたりの平均在院患者数
- 74人(平成28年度数値)
- 一般病棟の平均在院日数
- 17日(平成28年度数値)
- 病床稼働率
- 83.3%(平成28年度数値)
- 職員総数
- 158人(平成29年度数値)
- 医師
- 7人
- 看護職
- 64人
- 医師事務作業補助者
- 5人
- 看護補助者
- 18人
- 医師の交代制勤務の有無
- なし
- 看護師の交代勤務の状況
- 2交代制(変則含)
- 勤務環境改善についての表彰・認定等について
- 平成28年5月 「第4回 看護職のWLB推進 カンゴサウルス賞」を日本看護協会より受賞しました。